【快速PC】SSDクローンしたら回復エラー発生

ハードディスク デバイス

昔の古いPCのHDDをSSDにクローン置換すると、快適PCに早変わりしますが、クローン作業して、PCにSSDに入れ替えたとたん起動しなくなることが、多々あります。そうならないように、事前準備と対処方法を、私が陥ったトラブルを参考に説明します。

SSDクローン化に至る

家族が使っていたノートPC(Acer E1-571:2013年製 Windows7 Core-i5 第3世代 メモリ:4G HDD:500MByte)の動作速度が極端に遅く、立ち上げに数分、立ち上がっても、何かする度に、
しばらく返ってこない、との苦情を受け、新型のノートPCに買いなおしました。

古いPCは、中古で下取りに出す予定でしたが、約10年前PCでは下取り価格も知れていると思い、
私のワーク用にすることにしました。

現在は、デスクトップPCと、MacBookの2台体制で使用しています。

先ずは、Windows10へのアップグレード(Windows7正規ユーザならば、Windows10への
アップグレードは可能)とのことで、さっそく、Windows10へのアップグレード実施。

実施したところ、さらに動作が遅くなり、とても使えないレベルになってしまいました。

これは、メモリーが足りないからだと考え、メモリ16Gを購入。
(当初、メモリ4G増設し、合計8Gにすればよいと考えましたが、PCのメモリースロットル開けて
 みると、2つのスロットルに、2Gが2枚挿入されていました。
 どうせならば、8Gでなく、8Gx2枚の16Gとした次第です。)

メモリーを16Gに差替え、これで、快適PC動作になると思っていましたが、少し速くなった程度の改善になしかなっていませんでした。

とすると、原因は、起動HDDディスクが遅いということになります。

HDDをSSDに変えることでアクセス速度を改善するしかない!!。

クリーンインストールでもよかったのですが、アプリの再インストールや環境構築が手間なので、
HDDのクローン化し、置換えすることにしました。

以前、デスクトップPCで、SSD容量を上げるために、クローン化した時もかなり手こずった記憶
がありました。
(この時は、単純なディスクコピーだと、高を括って痛い目に合っていますので、
 今度は、失敗しないようにと、前準備して臨みました。)

ところが、残念ながら、それでも、やはり、トラブル発生!!

やっとのことで何とか、起動することに成功し、今、そのPCでこのブログを書いています。

今回は私の環境でうまくいったの経験ですので、環境が異なると必ずしも回復しないかもしれません。

各自のリスクで実施するされるますようお願いします。

クローン化の前に準備しておくこと

クローン化する前に、用語説明と準備しておくことを記載します。

用語の説明

クローン化 ストレージ(HDDやSSDなので記憶媒体)の内容を同じ配置で丸ごと複製すること。
      通常のコピーと異なるのは、起動用ストレージには、通常アクセスできないファイル
      管理用領域などの特殊データも含めて起動OSシステム全て複製する。

HDD    一般的なストレージで、硬い円盤(ディスク)の表面に磁気を塗布し、回転させ、
      磁気を変化させて”0”と”1”を記憶している。
      接続インターフェースは、IDE/ATAまたはSATAが主流。

SSD    最近流行りの記憶媒体で、記憶媒体をHDDのディスクの代わりに、フラッシュ
      メモリーに”0”と”1”を記憶している。
      まだ、フラッシュメモリーの価格が高く、同じ容量ならばHDDより高価になる。
      接続インターフェースは、SATA、mSATA、m.2、NVMe等Dに適したより高速
      な規格になっている。
      また、形状により筐体仕様(フォームファクタ)が異なるため、マザーボードの
      仕様を確認して、どのフォーファクタとインターフェースを使えるかを決める。
      NAND型フラッシュメモリーの記憶方式には、SLC、MLC、TLC、QLCなどがある。
      SLC:Single Level Cell 一つの記憶素子に、”0””1” 2値・1ビットを格納する方式
      MLC:Multiple Level Cell 一つの記憶素子に、4値・2ビットを格納する方式
      TLC:Triple Level Cell 一つの記憶素子に、8値・2ビットを格納する方式
      QLC:Quad Level Cell 一つの記憶素子に、16値・4ビットを格納する方式
      容量当たりの単価は、SLC>MLC>TLC>QLCの順に安くなる。
      一方、読み込み速度、信頼性、消費電力は、逆の順で劣っている。
      現在、SLC/MLCは入手が難しく、TLCがコストパーフォーマンスが良い。

BIOS   Basic IO Sysytem(バイオス)は、主基板(マザーボード)に格納されている
      プログラム(ファームウェア)であり、WindowsなのどのOSを起動する前に、
      接続されている各デバイス(HDD、USBなどのデバイスなどの装置・機器に対する
      基本的な入出力制御を初期化し、起動のための準備をするプログラム。
      1970年代から、PC-AT互換機に使用されてきたおり、”Legacy”(レガシー)とも記載
      される。
      設定は、PC起動時にメーカロゴが出ている間に、”F2”キー(だいたいのPCはF2キー
      であるが、PCで異なるため、マニュアルを確認のこと)を押していると、
      BIOS設定モードに切り替わる。
      最近のPCは、EFI/UEFIという新しいBIOSに切り替わってきている。
      自分のPCが、BIOS(Legacy)なのか、EFI/UEFIか、確認しておく必要がある。
      BIOS設定で切り替えの設定が可能となっている。
      BIOSでは、2TB(テラバイト 約2,000ギガバイト)までしか扱えない。
      Windows10までは、どちらでも起動可能であるが、Windows11からは、
      EFI/UEFIでないと起動できない。

EFI/UEFI Extensible Firmware Interface / Unified EFIは、従来BIOSに代わるプログラム。
      WindowsなどのOSとの間で、通信仕様を定めた標準規格。
      2TB以上のディスクを扱える。
      OSのデジタル署名を検証し、正当なインストールであるかを確認し起動する、
      セキュアブートに対応している。
      Windows11は、このEFI/UEFIとセキュアブートがインストール条件となっている。

MBR    Master Boot Record(マスターブートレコード)
      起動に必要な情報を格納している領域。
      BIOSで主に使用されている。

GPT    Guid Partition Table(GUIDパーティションテーブル)
      MBRにかわり、2TB以上の領域を扱うことができる。
      EFI/UEFIの一部として定義されているが、BIOSからも利用可能。
      ただし、BIOSでは、GPT形式のストレージから、OSの起動はできない。

事前の準備

バックアップ

PCの作業に当たっては、どの作業でもそうですが、先ずは、動作している現時点のPCの
バックアップ(できれば、フルバックアップ)しておくほうが良いです。

何かの手違いや、不具合などで、オリジナルの動作できているディスクを破損してしまうと、
せっかくのデータ消失してしまいます。

面倒がらず、バックアップをしておいてください。

できれば、日ごろから、バックアップをしておくことをお勧めします。

有償になりますが、最近のバックアップソフトは、差分のみをバックアップしてくれる機能が
あり、容量をそこまで必要としないものもあります。
(最初の一回だけは、フルバックアップが必要ですが、以降は差分のみ)

このため、
バックアップ専用の外付けHDD(少なくとも容量は、PC側のHDD以上)を準備して
おく必要があります。

どうしても、大容量のバックアップHDDが準備できない場合は、必要なデータのみでも、
USBメモリーか、空いているHDDにバックアップしておくほうが良いです。

私の経験上、”まあ、バックアップ取らなくても大丈夫!”とか、気軽にやったら結果、
大抵、HDD破損やら、予期せぬ要因で、データを失ったことが多々あります。

あとから、やっぱりバックアップ取っておけばよかった、と後悔しても遅いです。

また、破損したHDDを復旧しようと、余分な時間と労力、手間がかかる羽目になります。
日々のバックアップを心がけてください。

Windows起動ディスクの作成

クローン化は成功しても、そのSSDが起動しない場合に備えて、必要になるのがWindowsインス
トールメディアです。

マイクロソフトのホームページ、”Windows用のインストールメディアを作成する”から
“ソフトウェア ダウンロードWebサイト”にて、Windows10をダウンロードしてください。

16GB以上のUSBメモリを準備して、上記のインストールアプリを実行してください。

Windows10インストールメディアがあれば、最後の最後、どうしても動作しない場合に
クリーンインストールは、できることになります。

実際には、コマンドプロンプトを実行できる環境が必要であり、コマンドプロンプトから、SSDに
アクセスして、修復を実行するためのものです。

クローンツールの入手

一番大切な、クローンするためのツールを準備しておくこと。

クローン化に当たっては、ハードウェアで行う方法と、別のPCからソフトウェアで行う方法の
2通りあります。

ハードウェアツール

SATA接続で、HDDとSSDをつなげて、PCを用いずにクローン化するボックス型やコネクタ型の
ハードウェアを使う場合や、別のPCから、USB⇔SATA変換ケーブルを利用して、クローン化する
場合があります。

【メリット】
 ・PCを使わずにクローン化が可能

【デメリット】
 ・接続するHDDとSSDが同じ容量であるなどの制約がある。
 ・コネクタ型は、IDE、ATA、SATAの3接続コネクタであり、SATAが2つのタイプが少ない
  購入する場合、コネクターの接続タイプがなにであるか、よく確認して購入することを
  お勧めします。
 ・製品および条件によりますが、コピー元のオリジナルHDD側も何かの理由で破損、削除される
  例が報告されている。
 
失敗している場合の条件は多々ありますが、確率を下げるために、

1.電源供給されていること
  3.5インチHDDは、バスパワーで動作するはずですが、コピーのため電圧不足になるのかも
  しれません。あくまで、私の推測ですが。
  コネクタタイプ(両端にHDDとSSDを接続するタイプ)は、電源が供給できるタイプのもの
  を選びましょう。

2.クローン前にオリジナルHDD側をチェックディスクをかけて修復を実行しておきましょう。
  コマンドプロンプトから、”CHKDSK /F”を実行するか、
  (ただし、起動ディスクではアクセスを拒否されるため、上記で作成したUSBメディアで
   起動し、コマンドプロンプトからチェックディスク”CHKDSK /F”を実行する。)
  ”ディスクの管理”からオリジナルHDDを選択して、プロパティのツールタブの”チェック”を
  選択し、実行します。

3.コピー元のHDDの容量を確認して、コピー元のHDDの容量と同じ容量のSSDを準備する。
  (例えば、元のHDDが、485GBだとしたら、500GBを選び、下回らない容量とする。
   SSDの容量のほうが、大きい(1TBとか)にすると、クローン化で無効領域が作られる
   可能性もあります。その場合は、パーティション変更で、無効領域を統合する作業が必要に
   なります。)

ソフトツール

有名な無償クローンソフト、
EaseUS ToDo Backup”は、
昨年の最新版から、クローン機能が、有償版(約¥3,000/年~)に変更となっています。
無償でクローン化したい場合には、旧バージョンの”EaseUS ToDo Backup”を検索して
インストールしてください。
有償ソフトは、サポート対応をしてくれるので、安心を求める場合にはよいかと思います。


Acronis Cyber Protect Home Office(旧 Acronis True Image)
こちらも、元々有償版でしたが、昨年9月最新版に更新され、名称とサービス内容が変更になり、
サブスクリプション版のみとなった。

マルウェアからのシステム保護やWeb監視機能などが追加されているが、バックアップ機能や、
クローン機能も、起動中のHDDからもSSDに複製できる。

Essentialsエディション:PC1台分 \3,250/年 500GBオンラインストレージサービス利用可。
CrucialのSSDの場合には、”Acronis True Image for Crucial“が無料で利用できます。

他にも、
TranscendSSD Scope
SanDisk / Western DigitalAcronis True Image WD Edition
にも、無償のクローニングツールが付属しています。
(ただし、PCに少なくとも1台そのメーカのSSDが接続されていないと、エラーメッセージを
出し起動できないようです。)

HD革命 Copy Drive Ver.8 (アーク情報システム)
昔からある日本製の代表的なハードディスクツール
ダウンロード版:\3310

SSD

どのSSDにするか、悩むところです。

コストパーフォーマンスを考えると、TLCで、DRAMキャッシュ搭載モデルがおすすめです。
DRAMキャッシュ搭載すれば、性能は向上しますが、その分、価格が高くなります。

といっても、\1000ぐらいの差ですが。
CrucialのSSDの場合、MXモデルと、BXモデルがあり、
MXがDRAMキャッシュ搭載モデル
BXが、DRAM非搭載モデル
となっています。

【DRAM搭載の500GB Crucial MXモデル

クローン作業

私が、実施したのは、念のため、起動ディスクを直接クローンするのではなく、HDDから取外し
てデスクトップPCに、HDDとSSDそれぞれUSB変換ケーブルで接続し、クローン作業しました。

使用したのは、旧Acronis True Image 2019のソフトです。

クローン作業は、簡単で、ソース側:HDD、ターゲット側:SSDを指定し、クローン実行を行い、
500GBで、1時間30分ぐらいで作業完了しました。
(作業途中に、スリープモードにならないように設定をスリープモードOFFにしておきました。
 省電力モードで、電源OFFにならないようにしておいてください。)

クローン成功。でも、起動せず

クローン完了したのでSSDを、ノートPCに入れ替えて起動したところ、みごと起動!!

これで、安心と、準備したアプリケーションを削除して、再起動。

ところが、再起動したところ、”起動ディスクが見つかりません”のメッセージ。

???
え!なぜ?何が起きたか、パニックです。

さっき、起動したのに・・・
アプリ削除したときに、何か余分なものも削除したのかも、と思い、
仕方ないので、再度、Acronisを使って、クローン作業実施。

それでも、起動できず、”起動ディスクが見つかりません”のメッセージ。

色々、SSDを確認したところ、なんと!SSDの中身がないことが判明。

どうしてそうなったか、わかりませんが、2回目のクローン作業でオリジナルHDDからの
コピーができていなかったということです。

コピー時間は、同じぐらいかかっていたのに・・・
最初のクローン化では起動したので、クローン作業は成功していたのですが、2回目に実行
したときに何かの理由でファイルコピーができていなかった?

ひょっとすると、ファイルそのものはコピーできていたが、ディレクトリー領域が破損し
ファイルがないように見えたのか?

不明です。

ファイルが無いのでは起動できないので、
今度は、Acronisでなく、HD革命コピーディスクを使って、再々度、クローン化実施。

クローン完了後、ファイルを確認したら、ちゃんとコピーできていました。

今回は、SSDの中身のファイルも、ちゃんとコピーできていました。

ノートPCにSSDを差し込んで起動したところ、今度は、”回復作業が必要です”とのこと。

お、今度はいけるのでは、ということで、ネットで調べて、
USBのインストーラからコマンドプロンプトを選択し、

bootrec /Rebuildbcd
bootrec /fixboot
bootrec /fixmbr


を実行してから、再度、起動しなおしたら、見事に再起動できました。

やはり、クローンだけだと、起動ファイルの一部がうまく整合性が取れない状態にある?
と推測します(Windowsの起動も複雑になってきていますので)

反省とおススメ

今回は、失敗しないようにと準備して、クローン化に臨んだのですが、見事、失敗でした。

やはり、Windowsも進化しており、OSとして複雑になっているため、クローン作業で、再起動
できるかは、条件次第ということだと考えます。

基本的に、どのハード・ソフトを使用してもコピー自体は、できているのだと思います。

ただ、
ブート領域の整合性が、環境・条件によりクローン成功/失敗を分けるのではないかと考えます。

もう一つ、最初にSSDをデスクトップPCに接続したとき、ディスクの初期化を要求されたので、
今後、Windows11もインストール予定でしたので、MBRでなく、GPTを選択していました。

ところが、AcerのBIOSは、バージョンが古く、また、BIOSバージョンアップもできない状態で、
EFI/UEFIに切り替えることができなかったのです。

ソフト側で、初期化されるだろうと思い、GPTにしたことは気にせず、クローン化しましたが、
どうも、BIOSでは、GPTディスクは相性が悪いのではないかと思います。

BIOSの場合には、必ず、初期化の時にMBRを選択しておくのがよさそうです。

それでも、SSD化してWindows起動も、アプリ起動も高速になり、普通に使うのに、
何の問題もなくなりました。

手間はかかりましたが、何とか、快適PCとなりました。

旧型PCでも、Office作業や、Web、ブログ作業するには、まったく問題ないです。