【映画】BLUE GIANT と SLAM DUNK の違い

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好評価のBLUE GIANTを見に映画館に行きました。前回、映画館にきたのは、SLAM DUNKだったので2作連続でアニメ作品となりました。せっかく、2つ続けて評判のアニメ映画を見たので、それぞれを比べてみたいと思います。
結論から言うと、SLAM DUNKの方が躍動感があり、映像に入り込めて良かったと思います。もちろん、BLUE GIANTもジャズ映画として良かったのですが、比べると、SLAM DUNKの方が良かったと感じました。

BLUE GIANT概略

映画情報

原作:石塚 真一
監督:立川 譲
脚本:NUMBER8(石塚氏の担当編集者)
公開日:2023年2月17日
制作国:日本
上映時間:120分
BLUE GIANT 公式サイト

今回、
グラミー賞を受賞し、
日本を代表する世界的ピアニスト
上原ひろみ氏が書き下ろし劇中歌として
ユキノリが作曲した曲として作成しています。
当然、ユキノリのピアノ演奏は、上原氏です。

ダイの力強いサックスは、馬場智章氏で、
迫力ある演奏をしてくれています。
同じく、
玉田のドラムは、石若駿氏が行っています。

あらすじ

高校卒業した宮本 大(ミヤモト ダイ)は、
”世界一のジャズプレイヤーになる!”
との思いで、仙台から上京した。
偶然ライブハウスで見た同い年のピアニスト
沢辺 雪祈(サワベ ユキノリ)と出会い、
組むことになる。
さらに、
ドラマーは、上京して転がり込んだ友人の
玉田 俊二(タマダ シュンジ)が2人に
感化され初心者からドラムを始め、
JASS“というトリオを結成する。

そして、
日本最高峰のジャズクラブ”SO BLUE“に
出演するという目標を目指し、必死で努力する
ジャズドラマ。

原作は、
ビッグコミックで掲載中の、石塚真一
の同名マンガで、
本映画は、日本編である第一部の映画化と
なっている。

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漫画は、この後となる、
BLUE GIANT SUPREME(ドイツ編)

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BLUE GIANT EXPLORE(アメリカ編)

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へと繋がっていく。
BLUE GIANT EXPLOREは、
現在、コミック第8巻まで出ており、
ビックコミックにて好評連載継続中です。

映画版での感想

現時点、
シリーズ累計発行部数920万部を超える、
超人気マンガのアニメ映画化作品。
マンガから音が聞こえる”というほど評価が
高く、原作者 石塚真一氏の作画力が人気と
なっている。

ダイの根拠のない自信と愚直な努力、
とにかく前に進む意志力、若さ、忘れ去った
ものを思い出させてくれるマンガで、
ジャズを知らない人でも楽しめる、
力強さが受けているのだと思います。

実際、
映画館は、公開から10日経った、
平日の昼の部の爆音上映でしたが、
半分ぐらいの席が埋まっており、盛況でした。
公開から10日たった平日の昼間なのに、
この人数はすごいなと感じました。

年齢層は、
大体、同年代の50歳〜60歳ぐらいが80%、
若者が20%といった感じでした。
女性一人の人は、この回ではいませんでした。
夫婦できていたり、カップルできたりしている割合は
30%ぐらいと多かったと思います。

マンガは、ビッグコミックで読んでおり、
今回の映画版は、マンガ版とほぼ同じ展開で
描かれています。
一部、
マンガ掲載版と異なるところはあります。

尺の都合だと思いますが、
ダイが、高校卒業し上京するところから
始まります。
サックスを始めた経緯や、高校時代のことは、
映画版では描かれていません。

コミック10巻分を2時間で描くには、端折る
ところも必要です。
そういう意味では、上京からのスタートは良い
と思います。

ならば、
TVアニメでも良いのではとも思いますが、
音楽アニメ、特にジャスなので、音にこだわる
必要があります。
今回、
上原ひろみ氏、馬場智章氏、石若駿氏が、
劇中のトリオ、JASSとして演奏しています。
音楽は、素晴らしいの一言です。

マンガでは、絵から”音が聞こえる”でしたが、
リアルに音が聞こえる、
しかも、プロの演奏で!

ジャズにも音楽にも詳しくはないですが、
心地よく、力強いジャズであることは
わかります。

ただ、
他の評価にも書かれているので、
私だけのことではないと思いますが、
やはり演奏中のアニメーションは何か、
引っかかる感じでした。

せっかくいい音に引き込まれているのに、
それを引き戻す、映像表現となっています。

普通のアニメーション、特に、
ユキノリのピアノソロの場面とか、
本当に素晴らしく、音楽と映像が合わさって
素晴らしかったです。
個人的には、キース・エマーソンかと思い
ました(笑)。

ただ、
ダイの演奏の7割ぐらいCGなのか?
3DCGのベタ線画きの画像で表現されている
場面では、何故か音から引き戻される感じが
しました。

演出効果も、人それぞれの感じ方とは
思いますが、
ピアノの鍵盤が曲がりくねったり、
サックスの中に吸い込まれて、歪んだり、
また、飛び出したり、
音の表現をしたかったのはよくわかりますが、
かえって逆効果だったのではと感じました。
昔のサイケデリックなミュージックビデオでも
見ているような感じでした。

また、
カット割も早く、多いため、落ち着かない感じ
になりました。
せっかくの良い音楽に入り込もうとするのを、
何故か急かしてくるカット割に、
正直、イラっとしてしまいました。
躍動感や、テンポの良さを描きたいのでしょうが
何か違う感がしました。

ここで、思い出したのが前回見た
SLAM DUNKです。
SLUM DUNKの時は、そんなことは全く
気にならず、静止画や鉛筆線画でさえ、躍動感を
感じ、完全に試合の観客の一人として引き込まれて
いました。
もちろん、
バスケットの試合とジャズの演奏の違いはありますが、
どちらも共通して観客視線と演者視線
が同じというのも確かです。

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SLUM DUNKとの違い

この違いは何なのか?

どちらもモーションキャプチャーを用いて、
動きを3DCG表現をしています。
SLUM DUNKでも、ボールの動きに合わせ、
湘北山王も3Dモデリングされている
はずです。
でも、
全く気にならなかったです。

一方、
BLUE GIANTも演奏シーンを3Dモデリング
していました。

違いは、
自然さではないかと思います。

SLAM DUNKの作者 井上雄彦氏は、
3Dモデリングで取り込んだ映像に、
さらに直接描画していたのでは?
ないでしょうか。

その結果、
ある時は、観客の視線、
ある時は、プレイヤーの視線、
それに合わせて自然な写実がされ
その上にキャラクターをアニメ的追加をする
ことで、さらなるリアルさを描き出した、
のではないかと思います。

自然な映像を作り上げれば、観客は飽きない
思います。
本当のジャズクラブの生演奏でも、観客は
飽きたりしないと思います。

それを、
無理に、映像に引き込ませようと
エフェクトやイメージを入れ込んだことで、
かえって不自然にさせたことが原因ではないか
と考えます。

素直に、石塚氏の作画だけでアニメーション
表現した方が、
素晴らしい音楽映画に仕上がっていたのでは?
ないかと思うのです。

もちろん、
ジャズアニメである以上、
演奏のインパクトさが重要であり、
これが、TVアニメ版でなく、アニメ映画版に
しなければならなかった要因だと思います。

このため、
プロの演奏者を使う必要があり、
話題のためだけではないと思いますが、
声優でなく、有名若手俳優起用し表現力を
上げ、話題作りも行なうのは当然です。

映画興行収入がなければ成り立ちません。

その結果、
本当は、一番重要な動画の見せる部分が、
大人の事情によりCGだけにならざるを得
なかったのかもしれません。
仕方ないだと思いますが、やはり残念です。

きっと、
第2作としてBLUE GIANT SUPREMEも、
アニメ映画化されると思いますので、
次作は、映像表現を改善してもらえると、
よりよくなると思います。