原子力空母ニミッツが、真珠湾攻撃の前の日にタイムスリップする物語。トップガンより前にF-14を見られる映画でした。ストーリーにもう少し捻りが欲しいとは思いますが、シンプルでこれはこれで良いと思います。一番の見どころは、零戦とF-14とのドッグファイトです。(50年の技術進歩の差で戦うのはどうかと思いますが、面白い場面です。)
Amazon Prime Videoに上がっていたので、久々に視聴しました。気に入っている作品なので、DVDも持っていますが、手っ取り早いアマプラで見直しました。
作品情報
ファイナルカウントダウン -日本語吹替音声収録コレクターズ版ー【Blu-ray】 [ カーク・ダグラス ] 価格:4,698円 |
1980年8月アメリカ公開
日本では1980年7月5日先行公開の
アメリカ映画で、タイムスリップSF映画。
【監督】ドン・テーラー
【制作】ピーター・ダグラス
【出演者】カーク・ダグラス
マーティン・シーン
キャサリン・ロス
ジェームズ・ファレンティノ
チャールズ・ダーニング
ロン・オニール
当時、最新鋭の原子力空母ニミッツを海軍の
全面協力により、実際のニミッツを使用して
撮影した。
当時の空母は、女性軍人は乗っておらず、
女性用施設が準備されていなかったため、
撮影時にキャサリン・ロスは、毎日、
ヘリで陸上まで搬送されていたそうです。
(知らなかった)
制作のピーター・ダグラスは、カーク・ダグラス
の三男で、本編で、作戦室でドイツとソ連の
開戦をラジオで聴き、艦長から追い出された
水平役でも出演していたそうです。
親子共演していたんですね。
ご存知だと思いますが、
マーティーン・シーンは、チャーリー・シーン
の父親です。
マーティンの息子には、
シーン、エミリオ・エステベス他
俳優がたくさんいます。
アメリカの公開は、日本より1ヶ月遅れて
公開されているのは、真珠湾攻撃という
初めてアメリカが攻撃されたストーリーが
シビアなため、7月4日の独立記念日を避け
ずらしたのではないかと勝手に推測します。
本編中のチャールズ・ダーニング演じる
チャップマン上院議員は、映画の設定上の
人物です。
零戦搭乗員で捕虜になった、日本人役の
シムラは、韓国人俳優だそうですが、
日本語のイントネーションが変でした。
頑張って練習したと思いますが、
発音難しかったか?
オーエンス中佐役のジェームス・ファレンチノも
旧帝国日本海軍空母群の名前
赤城・加賀・蒼龍・飛龍・瑞鶴・翔鶴
作戦決行の暗号
ニイタカヤマノボレ
の発音ができていませんでした。
外国人には、日本語の発音は難しい?
外国人でも、日本人のように発音できる人も
いるのに?
零戦の僚機で、F-14に撃墜された搭乗員は、
日本人俳優だったみたいです。
(セリフなく撃墜されたチョイ役)
こちらに喋らせた方が良かったと思いますが、
シムラ役のスーン=テック・オーは、
007 黄金銃を持つ男などハリウッド出演が
多く、実績があり採用されたのでしょう。
ストーリー (ネタバレなし)
ハワイを出航した、空母ニミッツは、
突然の奇妙な雷雲に遭遇し、
気がついた時には僚艦、海軍基地との
通信途絶に陥っていた。
入る通信は、ラジオ番組と旧式な
暗号通信のみ。
艦長も、空母乗組員も混乱し、
第三次世界大戦が勃発し、核兵器
が使われたのではないかと疑心暗鬼に
なっていた。
艦長は、ハワイの真珠湾の状況を確認
するため偵察機を発進させる。
近辺にヨットらしき艦影があり、
確認のためF-14を発進させた。
星条旗を掲げた民間のヨットである
ことを確認した。
このヨットには、
次期副大統領を狙う、チャップマン
上院議員と秘書のローレルが乗っていた。
一方、
レーダーが、不明機を捉える。
急遽、
ヨットを確認した、F-14に不明機を
確認に向かわせた。
F-14が視認した不明記は、旧日本帝国海軍
零戦2機だとわかり、より混迷を深める。
とりあえず、零戦の死角に入り追尾継続。
零戦の進路に民間ヨットがいることが
わかり、F-14は零戦撃墜リクエスト
を出すが、艦長は却下。
状況が依然不明であるし、
攻撃する理由が無いためであるが、
艦長としても混乱していた。
さらに、
偵察機から届いた真珠湾上空の航空写真は
現在の真珠湾でなく、
第二次大戦前の真珠湾攻撃される前日で、
撃沈されたはずの、
アリゾナ、
テネシー、
ウエストバージニア、
メリーランド、
オクラホマ
が写っていた。
まだ信じられず、
ならばと、すでに史実として残っている
真珠湾攻撃前日の
旧日本帝国海軍主力部隊の位置に
偵察機を向かわせた。
そこには、
空母6隻含む旧日本帝国海軍主力部隊が
写っていた。
これで、
艦長も自分たちが真珠湾攻撃の前日に
タイムスリップしたことを認めるしか
なくなった。
零戦を追尾していたF-14から、
零戦が民間ヨットを攻撃したとの報を受け、
さらに、
零戦2機の進路が、ニミッツに向かって
いることがわかり、
艦長も今度は、撃墜命令を出し、
あっという間に、零戦2機は撃墜されるが、
うち1機は海上に不時着し、搭乗員は無事
であり、捕虜として救助される。
攻撃された民間ヨットの生存者である
チャップマン上院議員と秘書のローレルも
救助される。
救助に向かった、オーエンス中佐は、
助けたのが、真珠湾攻撃の前日に行方不明
になった、チャップマン上院議員と知ってしまう。
もし、行方不明になっていなければ、
次の選挙で副大統領となったはずである
さらに、
現大統領ルーズベルトの病死に伴い、
大統領になってしまうことを理解していた。
そんな人物を助けてしまったと、苦悶する。
(映画上の設定で、チャップマン上院議員は
史実上は存在していません。
史実では、ルーズベルト大統領の後任は、
副大統領トルーマンが大統領となっています。)
これで、
タイムパラドックスから逃れられなくなり、
自分たちは、どんな時代でも米国海軍
であり、国を守るために叩くのが任務
であり、真珠湾攻撃を今回は、
自分たちが防ぐことにした。
F-14含む戦闘機を発進させ、旧日本帝国海軍に
立ち向かうことを決断した。
さて、
結果はどうなったか?
この先は、ぜひ映画を見てください。
最後は、なるほどと思えるエンディングです。
映画評 ☆☆☆☆
当時流行ったトップガンより、前に
F-14トムキャットを実機で出した
映画として有名でした。
ストーリー、構成、有名俳優出演と
かなり費用をかけた映画だと思います。
やはり、
零戦とF-14トムキャットのドッグファイトは
見ものです。
ただ、
レシプロ機とジェット機では
推進速度の差があるため、低速だとジェット機は
失速してしまうのでは?
そのため、F-14では可変翼を広げて低速モード
にしていますが、撃墜する戦闘モード時には、
可変翼をたたみ、高速モードで戦っています。
小回りと言う点では、レシプロ機の方が圧倒的に
回転半径が小さく、もし熟練搭乗員ならば、
初めて見るジェット機としても、機敏に動け、
簡単に後方を取られて、射線に入れせない
飛び方ができるのではないかと思います。
軸線をずらして横滑りしながら、飛べば
機銃だけでは、落とされない戦いができる
のではと考えます。
流石に、空対空ミサイルを撃たれたら、
ひとたまりもありませんが。
エンターテイメント映画で、見どころですので
零戦が撃墜されないと、ストーリー展開できない
のも事実です。
仕方ないです、残念。
映画として見ると、
主要俳優の演技は、もちろん良いのですが、
若手の俳優の演技が、ちょっと。。。
とは思います。
俳優をたくさんニミッツに乗せられない
ので、ニミッツの本当の軍人を俳優として
使った?
のかもしれません。
あと、
やはり、日本軍人役の日本語の発音は
アフレコででもなんとかならなかったのかと
残念に思います。
オーエンス中佐も、
英語風でも、艦名をちゃんと喋ってほしかった。
発音しづらい艦名だとは思いますが、
敵の艦名を聞き取れなければ、
戦いにならないのでは?
と思います。
ニイタカヤマも、
”ニイタカヤマ に のぼーれ”
とか言っているの演出家さん、なんとか
ならなかったのか?
意味としてはそうですが、あくまで暗号文ですから。
日本人からすると、
真珠湾攻撃の是非はありますが、
やり返される話となると、ちょっと複雑です。
それと、
零戦搭乗員の態度、仕草に共感が持てないのも
残念です。
帝国軍人らしからぬ、演技は幻滅します。
ハリウッド映画ですから、仕方ないですかね。
日本人にしか伝わらない問題ですから。
全体的に、
空母ニミッツ、
F-14トムキャット、
A-6イントルーダー
などふんだんに出てくる映画となっており、
ストーリーも今となってはベタだけど、
40数年前だと、斬新なストーリーだったと
思います。
展開もうまくまとまっています。
一見、ミリタリー好みの映画に思えますが、
ストーリー構成が良く、
ストーリーを知っても、
何度でも見られる映画だと思います。
どちらかというと、B級映画との評ですが
俳優陣含めて、良い映画だと思います。
見ていない人は、ぜひ一度、見てみてください。