”トップガン・マーベリック”と”永遠の0”・宮部久蔵

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デジタル配信が開始され、何度も”トップガン・マーベリック”を視聴していますが、観るたびに、邦画の”永遠の0”と重なります。マーベリック宮部久蔵が重なって見えます。もちろん、時代も、世代も、背景も異なる主人公ですが、それでも、根本にある気持ちが同じに見えます。
彼らは、何と戦ったのか?考えてみると、”生きて帰ること”に尽きると思います。
(ネタバレを含みます)

”トップガン・マーベリック”

年代的には、”永遠の0”の宮部久蔵
享年26歳とのことであり、前作の
トップガン”の時点の、マーベリック
時代は違いますが、同年代と思われます。

前作のマーベリックは、戦後の若者であり
まだ、利己的で野心に溢れていた。

ところが、
36年経った、”トップガン・マーベリック
では、歳を重ね、考えも変わっていた。
一番大きいのは、グースを失ったことで
自責の念を抱え続けて生きてきた。

海軍は、一パイロットであるロートルの
大佐は、もう必要ないと疎まれている。
海軍に残るためには、
将官となり、一パイロットを捨てるか、
(命令違反等の行動は?だが、実績は十分)
海軍を退役する
の2択の状況である。
マーベリックは、パイロットであることが
自分自身である
と言い切る。
このため、飛べない海軍になることを
拒否し続けている。

マーベリックは、グースの事故は自分の責任
だと、ずっと自分を責め続けて生きてきた。
グースの子供である、ルースターグース
代わりに父親として見守りたかった。
しかし、
ルースターの母親との約束からルースター
恨まれていた。
自分の気持ちとルースターとの不仲に悩む。

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”永遠の0” 宮部久蔵

時代は、太平洋戦争で、職業軍人として
海軍に入隊し、卓越した戦闘機乗りと
して嘱望されていた。

しかし、
それだけの腕がありながら、宮部久蔵は、
生きて家族の元へ帰ること
だけが生きる望だった。
このため、この時代の軍人として
あるべき考えと異なるため、
臆病者”、”恥晒し”、”裏切り者”など、
忌み嫌われています。

それでも、どんなに悪口、酷評されても
頑に、”生きて帰ること”に固執します。
そして、戦局が悪化し、
部下を特攻任務に向かうための護衛
を続けるうちに、何もできず、
未来ある若者を特攻として、
艦砲射撃の餌食にされるのを
守りもできず、ただ見ているだけの
自分が許せなくなってくる。
生きて帰る”ということは、
部下の命を犠牲にして成り立つことに
苦しむ。

一方で、
一流のパイロットとして国のために実力を
発揮したいという思いと共に、
生きて帰る”呪縛の葛藤に悩んでいた。

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二人の共通点

マーベリックは、進退を閉ざされる形で、
TOPGUNに戻る。
そこには、過去の自分のような、
自分こそが一番と思うTOPGUN卒業生の
エリートがいた。
このトンがった集団をまとめ上げ、
ミッション・インポシブルな作戦を
実行し、生きて帰ってくるように鍛える
必要
がある。

中将は、作戦にはリスクがつきもので、
難しい作戦で、帰還できないものが
出ることは覚悟していた。

マーベリックは、グースのこともあり、
もう二度と、誰かが死ぬのは避けたくて、
部下が生きて帰ることを主張する。

それは、
当初、マーベリックをロートルとして馬鹿
にしていたエリートたちも、マーベリック
の熱い気持ちに融和している。

そして、
作戦のメンバーにルースターを選び、
選ばれたルースターも認めてもらえてことが
嬉しかったのだと思う。

逆にいうと、
海軍兵学校の願書を捨てられたのは、
マーベリック認められていないという
ことだと、逆恨みしていたのだと思う。

そして、
その思いは、作戦中に、自分を助けて、
被弾したマーベリックを助けなければ
ならないという、強い思いで、
帰投命令に違反してでも、
助けに戻ったのだと思う。

一方、
宮部久蔵は、特攻のために学徒動員された
学生たちの、飛行教官をしていたが、
どんなに上手く飛んでも、””を出さず、
常に”不可”しか出さず、
生徒から、蔑まれていた。

ある日、生徒の一人が機体不良から、
機首上げに失敗し、地面に激突して
亡くなってしまう。
これに対し、上官は、大切な機を
破損させるなど、精神が弛んでいる、
と、亡くなった生徒を罵倒する。

この時、
宮部久蔵は、上官の言葉に異論を挟み、
亡くなった生徒の名誉を守った。

当然、
上官からすると、上官批判となり、
ボコボコに制裁を喰らう。
それを見ていた、生徒たちは、
宮部久蔵が体を張って、同僚の名誉を
守ってくれたことで、噂で聞いた
臆病者”などではなく、
芯の強い、熱い人であり信頼に値する上官
だと理解する。

そして、
飛行演習中に敵機に襲われた時、
生徒の一人が、敵機に体当たりして、
宮部久蔵を助けた。
それが、大石少尉だった。

その生徒の気持ちは、
宮部久蔵こそが日本のために生き延びて
もらうべき、尊敬する人
であり、
そのためには、自分の身を挺してでも
助けたかった。

ところが、
宮部久蔵は、あなたたちこそが
生き延びて、戦争が終わった後の日本を
再構築してもらわなければいけない
のだと、
言っています。
宮部久蔵には、戦争の終焉が見えていた
のでしょう。

つまり、
マーベリック宮部久蔵
二人とも、部下思いであり、
部下失わないで済むように、思っている。

その気持ちは部下にも伝わり、
結果、
部下も自分の身を挺してでも助けに行く
自分も部下のために身を挺して助けに行く
同じ気持ちだと思います。

二人とも、部下を失いたくない
失わせない強い気持ちを感じます。
部下の命の上に生かされることは、
耐えられないことだった
のです。

執着を手放す

マーベリックアイスマンとPCを介して
会話した時、
It’s time to let go
と言うのですが、日本語訳では、
過去は水に流せ”と訳してありました。

この翻訳は、しっくりこない。
もちろん、
プロの翻訳者が訳されているし、
こちらも英語に詳しくないですが、
直訳すると、
行かせる時だ”となります。

意訳すると、
(信頼して)やらせてみるべきだ
と言う感じではないかと思います。

アナ雪のテーマでも、”Let it go“は、
ありのままで”と訳していますが、
執着を手放すと言う意味と思います。

なので、
水に流す”と訳したのでしょうが、
劇中、最も重要な言葉の訳が、
ちょっと違う感がするのは、残念です。

どちらにしても、
アイスマンのアドバイスと、
ペニーの娘アメリヤとの親子関係が
良くなった理由を尋ねたときに、
信頼して、たとえ失敗しても、
任せて見守ることにした
ら、
アメリヤも反抗しなくなったと、知る。

心配だから、過保護にすると、
相手は、認められていない、
信用されていないと感じて反抗
する、
重要なのは、信じて任せること
と言う重要なことを言っている。

このアドバイスにより、
マーベリックも今まで囚われていた
しがらみから解き放たれ、
ルースターを信じて、僚機に選び、
実力が発揮できるようになる。

宮部久蔵も、最後の最後で、
エンジン不調に気づき、
不具合が発生するとわかった上で、
自分の零戦と、大石少佐の零戦を
乗換えた。

これにより、大石少尉は存え、
生き続けてもらうことで、
一人でも部下を助けることができた。
これにより、
自分の存在意義を認めることができた。

戦後の日本の復興への期待と、
家族のことも、委ねることができ、
自分自身を解き放す
ことができた。

二人とも”執着を手放す”ことで、
本来の自分を取り戻す物語
なっている。